ま じ な い

おばあちゃんが子供の頃のお話です。暗い帰り道、・・・・怖い場所をとおる時は、「般若心経」を唱える事がよいとされていましたが、まだ、小さかったおばあちゃんは、全文を、完全には覚えていなくて、・・・・・・飛び飛びにしか言えなかったそうです。でも、一生懸命口の中で唱えていると、・・・・

そのときは、家から少しはなれた、「寄宮」(よのみや・・・・川の岸辺に、おじぞうさんが流れ着き、それをお祭りして、地名の由来になったところ)のちかくの、「寄宮坂」と言うあたりで、真っ暗の夜道に、心経を唱えながら歩いていると、「飛び飛び心経!・・・待て!」と、どこからとも無く聞こえたのだそうです。

「私のことかな?」と思って、ふと立ち止まりあたりを見ると、誰もいない・・・また歩き出そうとしたら!
その時、頭上の崖の上から石が落ちてきて、がらがら・・と、がけ崩れの落石が・・・・!

おばあちゃんは、飛び飛びでも、心経の御利益で、助けていただいたんだ、と、手を合わせたそうです。

不思議なお話ですね。

心経は、割と短くて、子供でも、覚えられない事はなく・・・うちの息子も、盆の御詠歌のあとに、必ず、般若心経を唱える習慣があるので、いつか知らずに覚えてしまいました。
飛び飛び心経
この地方では、どこの家も、大抵は、自分の家に井戸を持っています。我が家もそうですが・・・
家の新築や、改築などの時に、不要になった井戸を埋める・・・というときがありますが、井戸は、水神さんといって、水の神様の象徴でして、水神さんは、家族の健康そのものをつかさどっているので、あたや疎かには出来ないのです。さわりが無い様にどうすればいいのか、・・・・
悩んだ方が、物知りで有名だった、うちの先代のおじいさんに、聞きに来たそうです。

お爺さんは、「鎌」と、欠けた「おわん」を沈めて・・・・・どうぞこらえてください。とお祈りすれば良い、と言ったそうです。

・・・・・要するに、「鎌」と「お椀」で「かまわん!」と言うまじないです。(^。^)

こうした、「鎮め」のまじないは、結構あるようですが、・・・・その根底には、自然界の神様に対して、敬意をはらう・・・恐れ多いと感じる気持ちがあります。自分の勝手をしますが、どうぞ怒らずに、お守りください!という、畏敬の念だと思います。
古井戸を埋める
柚子の木に実がならないときは、荒縄で、木をぐるぐる巻きに縛って、実をつけないと「切るぞ!!」と脅かします。
実際、我が家の柚子も、おととし、去年と、二年続けて実が付きませんでした。その前までは、結構実をつけていたのですが・・・そこで、おじいちゃんが、このまじないをしてみたところ、今年は、鈴なりで沢山の柚子がつきました。
なんだか人間臭い不思議な事ですね。
柚子の木
神棚に、ドライフラワーにした紫陽花を逆さにぶら下げると、小金がたまると言われています。
我が家でも、・・・・・永い事やっていますが、結果は????(^.^)
小銭がたまる
カメムシを御存知でしょうか?
臭い臭いを放つ・・・平べったい茶色い虫で、こちらでは・・・カメムシが異常発生する年は、冬には、「大雪」が多いとされています。

洗濯物などに良くついていて、人の手が触れると、強烈な臭いを放ちます。

このカメムシに対する対策として、変わったまじないがあります。
題して「褒め殺し」!!

カメムシは、見かけも悪く、不細工なので、ひがんで人の嫌がる臭いを出しているというイメージから起きたまじないで、カメムシを紙などに、そ〜〜っと、のせ・・・
「亀姫様!亀姫様!、そうぞ!・・・お帰りくださいませ」と、丁寧に失礼がないように言うのです。

姫扱いされた、カメムシは・・・・機嫌よく、臭いにおいも出すことなく、退散してゆく・・・というのですが、効果は・・???です。
但馬では・・・「ものもらい」のことを「めぼ」と言います。

メボが出来ると、ここ、赤崎村では・・・あずきをふたつぶほど持って、家の外を流れる山からの谷川の縁にたち・・・、あずきをひとつ掴んで目の縁(ものもらいが出来てるところ)に当て、「あ!!・・・めぼかとおもったら・・あずきだった!!」と言って、そのあずきを、谷川に捨てます。(^.^)

これを2回繰り返します。

「ななな・・なんと!」」

数日後、・・・・メボは消えているのです。(笑)

ばかばかしいと・・思われるかもしれませんが・・・(私も初めはそう思いましたが)・・・・・不思議な事に、我が家で、私の経験では、まったく100パーセント!なくなりました。(驚)

いろんな段階のものもらいで試しても、・・・今まで、3日以内に直らなかった事は一度もありませんでした。
  カメムシ
   メ  ボ