但馬には春秋二回の「いのこ」がある。
「いのこ」は、二月のい(亥)の日に田の神を迎える祭りである。もし二月に(亥)の日が三回あれば、多くは中の(亥)の日にいのこをする。
また、所によっては、一番のいのこは百姓の「いのこ」という。
春の「いのこ」にはぼた餅をし、秋の「いのこ」には餅をするという土地や家もある。
春の「いのこ」は「いの神さんに早くきていただくように」といって、朝早く餅をして供えるという家が多い。
春のいのこ餅は、神様に供え、家族が食うばかりでなく、牛や馬にも食わせ、田植えに頼むそうとめ(五月女=早乙女)や合力してもらう家にも配る。
秋のいのこには、平たく大きい餅を下にしき、これを座布団餅といい、ゆっくり休んでもらうという。
いのこ
二月の行事